QNAPのNAS仮想マシンで作るトレード環境

QNAPのNASで作るFX環境

スマホやタブレットから個人仕様のFXチャート等にアクセスする方法論。最後のご紹介はNASの仮想マシンを利用してトレード環境にアクセスする方法です。仮想マシンの運用が可能なQNAP製NASストレージ「QNAP TS-453mini」を利用します。残念ながら、下位のTSシリーズや他社製品(例えばBuffleroリンクステーンション等)では仮想マシンに対応していません。

前回、前々回と、クラウドサービスやクライアントとのP2P接続を利用して、自分専用にカスタマイズした投資環境にアクセスする方法を述べました。いずれの方法も、初期投資、ランニングコスト、安定稼働等にメリット・デメリットがあります。

今回のNASサーバーと仮想マシンを使う方法は、初期投資の費用こそ高いものの電気代のみのランニングコストで、なおかつ安定感抜群という2つの恩恵+αを受けることができます。

QNAPのNASと仮想マシン

はじめに製品のご紹介です。今回利用するのは、仮想マシンを運用できるNASサーバー「QNAP TS-453mini」です。

このNAS製品の良い所は、コンパクトで場所を取らず、そのくせ必要十分な上級機能を取り揃えていることです。特に管理人が買った理由は、手軽に仮想マシン構築が可能な”Virtualization Station”を使えること。NASの中に仮想マシンを作成・起動すれば、外出先から仮想マシンにアクセスすることができます。

タブレットから仮想PCに繋げてみる

タブレットから仮想PCに繋げてみる

上記は、手持ちのタブレットから仮想マシンにアクセスした画面です。仮想マシンには話題のWindows10をインストールしてみました。タブレットなりスマホなりノートPCなりを外に持ち出せば、外から仮想マシンのWindows10にアクセスできるという寸法です。この仮想マシンの中に自分専用のトレード環境を作ってやろうという話です。

仮想マシンのメリット・デメリット

前述の通り、NAS内に仮想マシンを作ってしまえば、あとは簡単に外出先からでも自分のトレード環境にアクセスできます。特に、仮想マシンは現在利用しているPC環境を丸ごとコピーして作ることも可能なので、0からトレード環境を作り直すのは面倒という方にも向いています。

さらにNASを買う初期投資さえ済めばランニングコストも掛かりません。特にQNAPの場合、myQnapCloudというDDNSサービスを使えば、割り当てられたアドレスを入力するだけで自宅NASにアクセスできます。固定IPが要らないので、ドメイン業者と契約する必要もありません。単純に必要なのは月々の電気代だけでしょうか。といっても、同製品は省エネ仕様なので消費電力30W。電気代もたかが知れています。

参考:QNAP NAS TS-453miniの詳細ページ(Amazon)

問題は、設置に当たって専門知識が必要になること。「DDNS」とか「固定IP」とか小難しい単語を出したのには訳があります。ここら辺のネットワーク用語を理解しないと話にならないのです。管理人もネットワークについては素人だったので勉強し直す必要がありました。勉強する暇がない、という方にはちょっと難しい選択肢ですね。その場合は、仮想マシンのセットアップを業者に丸投げできるVPNサービスを利用した方がいいと思います。

参考記事:クラウドで自宅のFXチャート環境を持ち出そう

そのような訳で、思いつく所でNAS運用のメリット・デメリットを並べてみました。挑戦するかどうかは、これを見てよく考えてみましょう。

NASの仮想マシンを運用するメリット

  • ランニングコストが掛からない(電気代だけ)。
  • WindowsやMacOSで自由にトレード環境を作ることができる。
  • 現在のトレード環境を丸ごとコピーすることも可能。

NASの仮想マシンを構築するデメリット

  • 初期費用が高い。
  • ネットワークと仮想マシンの専門知識が必要。
  • トラブル対応含めて完全に自己責任。

トレード環境構築の方法論比較

簡単に言って「義務は自由の代償」というところでしょうか。今回ご紹介したNASの仮想マシンでトレード環境を構築する方法は、敷居が非常に高い代わりに、クリアさえしてしまえば自由度の高い方法となっています。なんだかんだで、こういう知識を好き好んで勉強する管理人のようなガジェットマニアもいると思ってご紹介してみました。学んだ知識とセッティングの方法は本サイトでもおいおい公開していきたいと思います。

まあ、自分専用のトレード環境が欲しいからと言って、無理に今回の方法に固執する必要はないと思います。実際問題、管理人もセットアップ完了まで結構苦労しました。今回の連載で紹介した他の方法を選ぶ選択は全然アリだと思います。以下の簡易比較表を見てみて下さい。

環境の構築手段手間安定感初期費用ランニングコスト
VPNサービス簡単抜群0~数千円4~5千円/月
リモートデスクトップやや掛かる悪い3~5万円電気代のみ
NASサーバー仮想マシン非常に掛かる抜群だが要自己対応10万円程度電気代のみ

個人的にオススメなのは、とりあえずVPNサービスを利用してみて、慣れてきたら自分でサーバーなりリモートデスクトップを用意する段取りでしょうか。興味のある方は、ここまでの連載記事もご覧あれ。

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