それでも1Gbps超えの無線ルーターを買った理由

1Gbps超えワイヤレスルーターのメリット

今回は家庭内LAN環境構築のために無線LANの通信速度について解説したいと思います。NEC製のハイスペックモデル無線LANルータ&コンバータ「WG2600HP(NEC)」の用途も併せて説明します。

巷では無線LANルータの高性能化が進み、11ac規格対応で1Gbps超えの通信速度をマークする製品が出揃ってきました。ただ、よく考えてみると家庭向けの光回線でも実効速度が1Gbpsを超えるサービスは限られています。むしろ、集合住宅ではせいぜい100Mbps程度が一般的ではないでしょうか。1Gbpsを謳う無線LANを購入したところで、インターネットの読み込み速度が劇的に改善したりはしないのです。

では、高速無線LANをあえて利用するメリットとは何でしょうか。答えは家庭内ネットワークの通信速度向上であると考えます。今回は、管理人の利用方法を例にして、高速無線LANを利用するメリットを語ろうと思います。

NECのWG2600HPで1Gbps超え

最初に管理人の利用している無線LAN機器をご紹介しておきましょう。購入したのはNEC製の最上位機種。atermシリーズのWG2600HPです。コンバータとのセットで購入しました。

通信速度は11ac規格で理論値1733Mbps/実効値1276Mbpsの1Gbps超え。11ac規格以外でも800Mbpsの理論値を持つので、スマホのwifi接続もサクサク繋がります。

子機のコンバータをセットで買った理由は、上記の通信速度を最大限活用するためですね。現状、パソコン側にUSB接続するタイプの無線LAN受信機は800Mbps程度までしか対応していないんです。親機が1Gbps超えのルータであっても子機の受信速度がそれに追いついていないと意味をなしません。親機のルータと子機の間でフルに1Gbps超えの通信速度を活用するには、今回のWG2600HPの端末をセットで2台用意する必要がありました。

一般の光回線では活用できない

前述の通り、管理人は1Gbps超えのNEC WG2600HPを所有しています。ただ、これでインターネットをサクサク見ることができるかというと、そうでもありません。むしろ、自宅のネット回線は遅い部類に入ります。自宅まで引かれている回線の遅さがボトルネックになっているんです。

団地は光回線でもネットが遅い

団地は光回線でもネットが遅い

上記は測定サイトで計測したネット回線のテスト結果。ご覧の通り、上り33Mbps下り5Mbpsでギガビットなんてどこ吹く風。いくら無線LANが速いと言っても、自宅に引かれている回線が遅いのでは、サクサクネットを見て回るということはできません。

ただ、この手の話は管理人固有の問題でもないようです。同測定サイトでは他の方の計測結果も見ることができます。ざっと見る限り、光回線でも数十Mbpsしか出ていない人もざらにいますね。そもそも光回線で1000Mbpsと言ったって、それは理論値での話です。実効速度はせいぜい100Mbpsでしょう。さらに集合住宅(マンション契約)で回線を分け合えば、割り振られるリソースはもっと減ります。管理人の場合は団地住まいですので、100Mbpsの元回線を50戸の家庭で分け合っていたりします。そりゃ下りで30Mbpsしか出ない訳ですよ。

問題を本質的に解決するには、速度サービスの速い通信業者と契約するしかありません。ただ、一般の光回線はどこの通信業者でも実効速度100Mbps程度です。現段階で唯一、実効速度1Gbps超えのネット回線を提供しているサービスは「NURO光」くらいなものでしょう。逆説的ですが、今回紹介しているギガビット超え無線LANをネット通信でフル活用するならNURO光に契約する必要がありそうです。



NURO光は工事が面倒ですが、業界最高速度な上、キャッシュバックが高いことが魅力ですね。

それでも1Gbps超えを利用するメリット

さて、グローバル通信ではフル活用できない1Gbpsの無線LANですが、それでも利用するメリットは多々あります。ローカル通信での活用、つまり家庭内ネットワークでの通信が非常に便利になるのですね。管理人の場合は、主にホームネットワークの通信速度を向上するために利用してます。具体的な活用事例を見ていきましょう。

複数台接続のホームネットワークに

我が家には4台のPCがあります。管理人用のデスクトップ、嫁さんが使うノートパソコン、外出用のMacbook、そしてNASサーバーです。これら4台でデータを共有する場合に、家庭内の無線LANを介して接続を行ないます。このとき、無線LANの性能が高ければ、それだけデータのやり取りがスムーズになる訳です。

一般に1Gbps超えの無線LANには3~4本のアンテナが搭載されています。先のWG2600HPなら4本ですね。4台のPCで無線LANに同時接続しても、アンテナ一本分の通信領域は確保できる訳です。アンテナ1本当りの通信容量は規格で433Mbpsと定められています。このレベルの速度さえ出れば、実用に支障を来たすことはありません。

スマホのwifi接続をフルスピードで

無線LANの用途のひとつとして、スマートフォン用のWifi環境を構築できるというメリットがあります。Wifiに接続して使えば家庭内の回線を通じてパケットを送受信できるので、パケット代の節約になるという寸法です。ドコモやソフトバンクの定額パケットを節約できるのは当然ですが、MVNOの格安Simを使っている場合は、できるだけWifi接続を利用することがデータ費用節約の生命線になったりします。格安Simというのは、例えば以下のBiglobeなどが提供するMVNOサービスのことです。



そんなWifi接続ですが、最新機種のスマホでは11acのアンテナを2本搭載していることが珍しくなくなりました。例えば、iPhone6sではアンテナを2本搭載するようになりました。つまり、433Mbps×2本で866Mbpsまでの通信速度が実現可能という訳です。

最新スマホの高速通信をフル活用する場合、Wifi環境を提供する側の無線LANも大きな容量を必要とします。866Mbpsを上回るWifi環境を作るには、少なくとも1000Mbps=ギガビット超えの無線LANが必要でしょう。スマホ以外にも接続しているPC等があるのならば、なおさら大容量の高速無線LANが必要になります。

NASとの大量データのやり取りに

最後にかなりニッチな使い方をひとつ。管理人の場合は、NASとのデータ通信で大活躍しています。NASというのは、要はネットワークに繋げるタイプのデータ保存庫です。ここにFXのチャートデータやら検証記録やら、はたまたブログのバックアップデータやらを詰め込んでいます。管理人の相場データ保存庫である訳ですね。

このNASとのデータのやり取りを行なう際に、やはり通信速度が重要になります。PCのデータというのはGBクラスなんてザラですから、バックアップ作業は必然的に時間を食います。それがギガビット超えの無線LANなら直接繋がなくとも受け渡しが楽々。USB3.0には及びませんが、USB2.0よりはずっと早くデータの送受信が終わります。

おそらくメジャーな用途は、Windowsのバックアップだと思います。Windows10からバックアップ先にNASを指定できるようになりました。100GB以上のCドライブデータをNASに保存する場合、無線LAN通信ではやはり速度が速い方が有利に働きます。

今後の無線LANルータやいかに

以上の通り、ギガビット超えの無線LANルータについて有用な利用方法をご提案してみました。最近では、ご紹介したNEC以外にも、ASUSやTP-LINKといった海外勢がハイスペック市場に食い込んできています。ASUSに至っては、通信速度2Gbpsの製品まで取り扱うようになりましたね。

無線LAN市場の個人的な感想としては、Bufferloが大きなシェアを占めるも高機能製品ではまだNECに軍配が上がっていると感じています。そこにきてASUSが魅力的なハイスペックモデルを投入してきたという状況でしょうか。PC製品では海外勢に圧されている日本メーカーですが、こうした周辺機器では健闘してもらいたいものですね。

今回の内容を元に、無線LAN購入の比較検討はいかがでしょう。現在の製品状況については、以下のAmazon検索結果もご覧ください。製品サイクルの速い商品ですので、もう最新機種が出てきているかも知れませんね。

amazonのギガビット超えルータ検索結果

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