NTTのフレッツスタートアップツールを不要とし、手動で接続設定を行なう手順を解説します。
NTTのフレッツ光やADSLを契約するとインストールを避けては通れなかった「スタートアップツール」。以前は契約書類にCDが添付されていたのですが、最近ではダウンロード形式に変わりました。ただ、環境によってはダウンロードできない等の不具合を抱えています。端的にいって、こんな面倒なソフトは必要なく、直に終端装置の接続設定をしてやろうというのが今回の主旨です。
以下にフレッツ光のスタートアップツールに関わる不具合・不都合とマニュアル設定の接続手順を示します。
Contents
スタートアップツールのデメリット
最初にスタートアップツールの不具合やデメリットについて列記します。翻って、手動接続することの必要性を解説したいと思います。
ダウンロードできない
今回の記事を書くことになったきっかけがこちら。スタートアップツールのダウンロードサイトに接続できない状況があったのです。
以前のフレッツ光スタートアップツールは、契約書類に添付されるCDからインストールを行なうことができました。しかし、最近では光学ドライブを持たないノートパソコンも出てきています。そんな状況を鑑みてか、NTTはスタートアップツールのインストーラーをサイトからダウンロードする方式に変更しました。
ここで大問題が起こります。接続環境によってはダウンロードサイトにアクセスできないのです。管理人の場合は無線LANを利用していることが問題でした。無線LANを挟んだPCから指示されたアドレスを入力しても、404エラーでサイトが存在しないと弾かれます。どうやら室内のLANコネクタ、終端装置、接続PCを直結しないとアクセスできない仕組みのようです。
デスクトップPCを移動させて光ルーターの付近まで運ぶのは面倒です。ひとつの解決策として、自前のノートPCで接続すればいいのかも知れません。ただ、世の中はノートパソコンを持っている人ばかりではありません。普通にダウンロードできなくて困る人がいるはずです。
タスクトレイに常駐する
もうひとつのデメリットがこちら。フレッツのスタートアップツールって、常駐型のプログラムなんですよね。余計なメモリは食うし、目障りだし、何よりWindowsの立ち上げ時間が遅くなります。
一方で、タスクトレイにあると便利かというと、全くそんなことはありません。フレッツスクウェアに接続する等々、一応機能は充実しています。しかし、そんなもの一度も使ったことありません。
正直言って、百害あって一利なしのお邪魔ツールと化しているのが現状です。おそらく、この記事を探し当てた方の多くは、このデメリットに不満があって訪れたのだとお察しします。
MacOSに非対応
今回の記事を書くまで気付かなかったのですが、スタートアップツールってWindows専用のソフトですよね。Macユーザーの方はどうすればいいんでしょう。
管理人も従来はMacBookAirで家庭内Wifiに繋いでいました。正直、これまで気にすることはありませんでした。Windows機で設定していたので、Macからは無線LANに接続するだけで済んでしまっていたんです。ただ、最初の設定をするにも、Macしかもっていない方はどうするんでしょうか。
こうしたデメリットからフレッツのスタートアップツールをインストールすることに必要性を感じなくなりました。という訳で、プロバイダの乗り換えを機に、スタートアップツールはアンインストール。手動設定を試してみたので、手続きの方法を備忘録に残したいと思います。
手動接続の手順
まず始めに、手動設定の概要を説明します。
今回の手動設定で行なうことは、簡単に言って「終端装置(CTU)にプロバイダの接続先、ユーザーID、パスワードを記憶させる」ことです。終端装置は、それ自体がひとつのコンピューターですので、一度だけ情報を記憶させてやれば、次回以降は情報を入力する必要はありません。最初の設定さえ行なえば、以降は問題なくネットに繋がるようになるはずです。そもそも、スタートアップツールがやっていることも、それだけの作業です。
この手続きをするためには、終端装置の設定画面にログインする必要があります。設定画面には、終端装置に接続されたPCからプラウザ経由で辿り着くことができます。ただし、①終端装置のIP番号、②終端装置のユーザーID、③同パスワードが必要になります。この情報はNTT(もしくはプロバイダとのセット契約の場合はプロバイダ)からの書類を見れば書いてあります。
必要なもの①:終端装置に関する書類(IP、ユーザーID、パスワードが書いてあるもの)
設定画面にログインできたら、次にプロバイダの情報を入力する必要があります。入力する情報は、①プロバイダの接続先アドレス、②ユーザーID、③パスワードです。こちらはプロバイダから送られてきた書類に記載されています。OCN、So-net、Biglobe、YahooBB等の会社がプロバイダになります。
必要なもの②:プロバイダ情報が記載された書類(接続先アドレス、ユーザーID、パスワード)
入力が終われば、あとは設定を保存すればOKです。必要なことは、たった3ステップの作業です。
終端装置とPCを接続する
はじめに終端装置とパソコンをネットワークで接続しましょう。直接、LANケーブルで繋いでも構いませんし、無線LANを間に挟んでも構いません。LANケーブルで接続するのであれば、終端装置のLAN側にコネクタを差し込みます。
無線LANを利用してもよいと書きましたが、ややこしい設定を施していると終端装置にアクセスできなくなるかも知れません。可能であれば、無線LANはブリッジモードにしておきましょう。要は、無線LANルーターで変なアクセスフィルターを掛けないことが重要です。
どうしてもダメなら、直にLANケーブルで繋ぎましょう。このとき、終端装置の方をパソコンのそばに持ってくる方が手軽に済みます。設定を施す時点であれば、終端装置はネットに繋がっていなくても構いません。
IP入力で終端装置の設定画面へ
設定画面はインターネットプラウザを利用してアクセスします。プラウザはIEであれば確実ですが、ChromeやFireFoxでもアクセス可能であるはずです。
プラウザを立ち上げたら、URL欄に終端装置のIPアドレスを入力します。管理人の場合、NTTから提供された終端装置は”RV-S340NE”で、IPアドレスは”192.168.1.1″でした。IPアドレスが分からない方は、こちらのサイトで型番から逆引きすることもできます。
正しく接続されていれば、ユーザー名とパスワードが求められるはずです。ユーザー名はデフォルトでは”user”です。パスワードは契約書類を見て、確認しましょう。過去に設定画面にアクセスしたことがある方は、パスワードを変更した可能性もあります。その場合は、がんばって思い出してください。
無事、アクセスできれば終端装置の設定画面が映し出されるはずです。
プロバイダの接続情報を入力する
設定画面に辿り着いたら、プロバイダの情報を入力するメニューを開きます。以下の画像の通り、接続先設定(IPv4 PPPoE)の「接続設定1」をクリックしてください。
プロバイダの接続先アドレス、ユーザーID、パスワードの情報を入力します。以下は管理人が利用しているソネットの入力例です。
入力したら、最後に左下にある「設定」を押しましょう。設定を保存することでメモリに情報が書き込まれます。これで、終端装置の電源が落ちても設定が維持されるようになります。設定は保存しなくてもしばらくネットに接続できますが、停電等により電源が落ちるとリセットされます。
以上の手続きが無事に済めば、インターネットに接続できるようになります。
もし結果が出ない場合は、今回の手続き以外の不備も疑ってみましょう。ケーブルのWANとLANを間違えた、無線LANの設定がおかしい、そもそもケーブルを挿していない等のミスもありえます。特に無線LANルーターを利用していると、終端装置のルーター機能と競合することが考えられます(二重化ルーターの問題)。その場合は、無線LANルーターの設定を見直しましょう。
あとがき
以上、スタートアップツールなしで行なうネット接続の手順でした。NTTの使えないプログラムに、ついカッとなってやった。そんな所です。
なんだかんだで、フレッツ接続ツールを使わないメリットは大きいです。Windowsの立ち上がりは早くなりますし、タスクトレイのアイコンが増えません。なぜ、未だにNTTはこんなツールを使わせるのか不思議でなりません。終端装置のメモリに書き込むだけなら常駐する必要はないはずですが・・・。
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