今回はマジメに自動売買プログラムの検証方法について語ります。テーマはスプレッドです。
ご存知の通り、FXには売買ポジションの価格差=スプレッドが存在します。この価格差は当然のことながら小さい方が好ましく、各社は競い合うようにスプレッドを狭めるサービス精神を発揮しています。では、具体的に何pips程度が好ましい水準なのか?という点が本記事の焦点です。
検証方法として、1分足で売買するスキャルビンEAを作成し、スプレッドの影響について考察しました。結論としてはドル円0.3銭が現実的かつ強要可能な最小スプレッドと考えます。
逆張りスキャルピングEAを作ってみた
最初に検証に利用したMT4の自動売買プログラム=EAの特徴を説明します。このプログラムは管理人が持ついくらかの売買手法を寄せ集めたもので、基本は逆張りのスキャルピング手法となっています。単純に言って、買われ過ぎたら売り、売られ過ぎたら買うを繰り返すタイプのプログラムです。
EAの構成としては、売られすぎ、買われ過ぎの売買シグナルが出たら丸印を表示し、丸印が次のローソク足まで残っていたら即発注するタイプのアルゴリズムを組みました。売られ過ぎ、買われ過ぎの基準として移動平均線からの乖離(=エンベロープ)を利用しているので、見た目は上記チャートのようになります。
尚、アルゴリズムを組んだと書きましたが、厳密にはプログラムの骨子は支援ソフトを利用して作成しています。興味のある方は、下記のMT4EAエディタのページも見てみてください。
検証結果とスプレッド
前述の通り作成したEAは、MetaTrader4の機能を使うことでバックテストすることができます。検証プロセスは自動運転に任せることができ、こちらが指定するのはインジケータのパラメータやリスク許容度等の数字となります。これらの方法論については多くのHPやブログが解説しているので割愛します。
結論から言いますと、作成したEAは特定の条件で右肩上がりの利益を出すことができました。結果は以下のキャプチャの通りです。
ただ、問題が一点あります。それはスプレッドが広がると、途端に利益がマイナスに転じることです。MT4ではデフォルトで2point(=0.2pips)や5pointのスプレッドが選択肢として設けられています。端的に言って、2pointだと利益がかなり出るのですが、5pointだと赤字転落してしまうのです。
スプレッドと損益分岐点
パラメータも色々試しました。その結果が以下のEXCELシートです。ご覧の通り、右半分の結果は赤字です。複数結果が出ているのは、パラメータを複数試した結果です。やはりと言うか、5pipsのスプレッドでスキャルピングを実施することは無理があるようです。
要は、移動平均線の期間指定や乖離率の程度を変えた所で本質的な解決にならないという結論です。これは良く言われるノウハウなので、当然と言えば当然かも知れません。もっとも、利益の出やすいパラメータの組み合わせというのはあるので、その最適化は行いました。
であれば、最適パラメータを利用してスプレッドの限界を調べてやれば、損益分岐点が割り出せるだろうという試みができる訳です。という訳で、やってみました。結論を言えば、ドル円0.5pipsのスキャルピングは無理があるものの、0.4pipsであれば利益の兆しが出てくるという結果が出ました。
現実解はドル円0.3pips
これまた結論を書きました。前述の通り、最低条件としてスプレッドはドル円0.4pips以下の条件が必須です。では、その基準以下で運用可能なFX会社はあるのか?という話です。
あります。OANDA社です。
OANDA Japan
自動売買と言えばOANDA Japanです。最近ではユーザーページを刷新して、より多くの自動売買ネタを取り揃えるようになりました。
スプレッドに関してはドル円で原則固定0.4円が基準です。やはり、この水準でないとスキャルピングEAは難しいのでしょう。自動売買派メカニカルトレーダーのニーズをとらえた格好となっています。最近では東京サーバーでドル円0.3銭基準の試みも行っているようです。
逆の言い方をすれば、他社でMT4対応、かつドル円スプレッドの狭いFX会社は中々見当たりません。スキャルピングの逆張りEAを運用するならOANDA Japanがほぼほぼマストと言えますね。
個人的には自動売買プログラムと言えばOANDA社で、NDD方式を採用しているのでレスポンスが良い印象があります。このレスポンス問題については、また別の機会にお話ししましょう。まあ、スキャルピングEAを使うなら必須であると考えます。
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