引っ越しでネット回線を変えたら2重化ルーターになっちゃった。ポート5900が開かないよう。そんな問題に四苦八苦したので、今回は解決策としてqnapNASに固定IPを割り振る方法を備忘録に残します。
相場環境を構築するために購入したqnapのTS-453mini。仮想PCの設定も終わり、今では外出先からもアクセスできるFX・株のデータベースとして、非常に良く活躍しています。しかし、家族での引っ越しを機に問題発生。ネット回線の契約を変えたらルーターが増えて、2重ルーターになってしまったんですね。
結論から言うと、2重ルーターの問題は無線ルーターをブリッジ仕様にすることで簡単に解決しました。ただ、ポート5900を空けるには、やっぱりNASのIPを固定してルーターのポートをいじる必要がありました。今回は、qnapNASのIPを固定する作業の具体的な手順を解説します。
固定IPの設定手順
最初にTS-453miniにおける固定IPの設定手順をご説明しましょう。管理人の所有する機種での説明になりますが、基本部分はqnapの全機種で共通のはずです。また、ソフトウェアの更新により将来的に手順の子細が変わる可能性があることをご承知おきください。
QfinderProを立ち上げる
QfinderProはqnapのNASを管理する全機種共通のソフトウェアです。これがないとNASの設定もままならないので、基本的に皆さんインストール済みであると思います。
まだインストールされていない場合は、公式サイトからダウンロードしましょう。
構成設定を立ち上げる
QfinderProの画面を立ち上げると、現在アクセス可能なNASと割り振られているIPアドレス等の情報が提示されます。
この画面から「構成」のアイコンをクリックし、パスワードを入力してログインします。すると設定画面が立ち上がります。構成の設定画面には、複数のタブがあります。このタブの中から「ネットワーク設定」のタブを選びます。
設定画面の例と解説
インターネットのタブがIPの割り振りを設定する画面になっています。以下は、管理人が設定した例です。
以下に、各設定値の意味を補足します。
固定IP
管理人の場合は192.168.1.10に設定しました。192.168.1.○まではネットワーク上流にあるルーター次第です。管理人の場合、上位にあるルーターがNTTのルーター機能付きOCU(光回線の端末装置)です。他社のルーターやOCUではIPが異なるかも知れません。おそらく、説明書に書いてあるはずです。
一般に、ADSLや光回線のルーターには下流の機器に自動でIPを割り振る機能がついています(DHCPサーバー)。前述の光回線ルーターは192.168.1.2、192.168.1.3・・・と順次割り振る機能がある訳ですね。そこで、NASと他の機器のIPが被らないように、1~9番をすっとばして10番(192.168.1.10)をNASに与えることにした訳です。
余談ですが、実はNAS側では「ルーターに特定の固定IPを確保するよう要求する」ことしかできません。要は、要求が却下される場合もあるという訳です。具体的には、要求したIPが既に使われている場合ですね。万が一、10個以上の機器が先に接続されている場合、20番なり30番なりを指定してやる必要があります。
サブネットマスク
あえて数値を変えましたが、デフォルトの255.255.0.0のままでも構いません。その場合、NASに割り振るIPの自由度が多少あがります。具体的には192.168.○.○と2桁目まで変更可能になります。
デフォルトゲートウェイ
外部からの通信をNASに受け渡す機器のIPを入力します。管理人の場合、NASに外部からのアクセスを割り振るのは、やはり上位にある光回線ルーターです。IPは192.168.1.1です(NTT光回線ルーターの場合)。
このIPはルーターの「LAN側IPアドレス」と呼ばれます。他社製品の場合であっても、説明書に書いてあるはずです。
プライマリ・セカンダリDNSサーバー
家庭内LANに接続されているパソコンやNAS等の機器は、必ず一つのIPが割り当てられています。このIPの管理をしている機器のことをDNSサーバーと言います。今回の場合、やっぱりネットワークの最上流にある光ルーターがDNSサーバーの役割も担っています。
通常は、この項には光ルーターなりADSLルーターなりのIPを入力してやればOKです。前述の通り、NTT光ルーターのIPアドレスは192.168.1.1です。プライマリもセカンダリも同様に入力してやればOKです。
NASを再起動
上記の設定を行った上「適用」をクリックしてやると、NASの再起動を促すメッセージが表示されます。再起動しないとIPの再割り振りが行われません。再起動させてしまってOKです。
NASが再起動するとQfinderの初期画面に戻ります。IPが変わっていることを確認しましょう。
余談ですが、DNSサーバーの設定さえ正しければIPが変わります。逆に言えば、デフォルトゲートウェイやサブネットマスクの設定が間違えたままでもIPが変わります。別の問題として、ポートがうまく開かない等の不具合が出ます。管理人は、そこでハマりました。
NASに固定IPを割り振る理由
ついでなので、TS-453miniにわざわざ固定IPを与えなければならない理由をご説明しましょう。理由は単純です。前述の通り、ポートを空けたいからです。
外出先からqnapNASにアクセスする場合、サービスに応じて特定のポートを空ける必要があります。このポートを空ける設定をルーターに施してやる訳ですが、その際にNASのIPを指定してやる必要があるんですね。NASのローカルIPがコロコロと変わってしまうと、その度に設定をいじり直す必要が生じてしまいます。そこでIPを固定する必要が生じました。
qnapNASの場合、UPnPという機能もあります。NASからルーターに必要なポートを開く要求を勝手にやってくれる機能です。ただ、UPnPに用意されているポート以外を空ける必要がある場合、やっぱり固定IPを与えてやる必要がありますね。NAS機能を普通に使う程度には必要なポートも勝手に空けてくれるんですが、+αを求めると今回のような手間を掛ける必要が生じます。
管理人の場合は、VirtulizationStationにアクセスするのにポート5900を開いてやる必要がありました。macbookやUltraVNCというソフトからアクセスするときに使うポート番号ですね。TS-453miniは仮想PCを構築できて、そこに株やFX関係のデータを置いてあるんです。外出先からいつでも同じチャートソフト、検証ツールにアクセスできて便利です。
qnapで選ぶなら、価格もお手ごろなTS-453miniは個人利用でもオススメですよ。
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
こんにちは、連投失礼します。QNAPのVSという性能の限られた環境で色々やろうとされてて興味深く拝見させて頂いてます。1点だけ。DNSは名前解決の機能だと思いますので、その旨記載されたほうが宜しいかと思います。では。
うーん。「名前解決」と言われてピンと来るレベルの人には、DNSとは・・なんて説明不要な気がします。
あ、すみません、わかりづらくて。あれだとDHCPと混同してしまいそうな感じでしたので。
なるほどと思い、DHCPとDNSを切り分けて説明してみました。