UPSで停電時のNASデータ消失を防ぐ

UPSでNASのデータ消失防止

今回は、QNAP NASの機能と併せてUPS(無停電電源供給装置)の必要性を語りたいと思います。

記憶装置のトラブルで怖いものの一つは停電です。突然の電源失陥は内部データの消失を招くリスクがあるためです。特に最近のストレージは記憶容量が大きいだけに、中身が消えた場合の損失も大きなものになりがちです。知っている人ほど怖さが分かっているだけに、単にブレーカが落ちただけでもヒヤヒヤものの体験をするハメになります。

そんな停電のリスク対策として活躍するのがUPS(無停電電源供給装置)です。簡単に言って、安い鉛蓄電池を使っただけの緊急用バッテリーなんですが、あるとないとでは安心感が違います。最近では記憶装置にUPSとの連携機能を持つものも出てきました。そんな機能をちょっとした体験談と併せて紹介していきます。

ブレーカ落ちによるデータ消失を防ぐ

最初に体験談を少々。現実問題として、NASのトラブルで頻繁に起こるのってブレーカ落ちだと思うのですよね。ご家庭の契約アンペア数って、大体30A~40Aじゃないですか。我が家なんて団地ですから、30A契約が上限なんですよ。ブレーカが落ちる消費電力の上限は3,000Wということになります。

ブレーカ落ちの上限が3,000Wしかないと、結構、簡単に引っ掛かりますね。例えば、以下の組み合わせ。

  • エアコン 1,050W
  • スチーム式加湿器 950W
  • 掃除機 1,200W
  • 計 3,200W

コレ実際、管理人がこの冬にやらかした事例です。加湿器はマイナーですので、ドライヤー(1,200W)や電子レンジ(1,000W)に置き換えて頂いても結構です。ともかく、電気設備の古い家屋では消費電力の大きい家電を3つ使ったらアウト。ブレーカがバチンッと落ちて部屋が真っ暗になります。

そんな時こそヒヤっとする訳ですよ。「ヤバイ、NASのデータが消えるっ!!!」と。でも、NASの電源ランプに目をやり、安心する訳ですね。「良かった、UPSが効いている!」と。

いくらNASにRAIDの冗長性があったり、ハードディスクは不揮発メモリだの言ったって、突然に電源を切ればデータが消えるリスクは依然として残っています。特に書き込みの最中は。そんな突然の電源失陥を防ぐのがUPS(無停電電源供給装置)の役目です。今日はそんなUPSとNASのお話です。

UPS(無停電電源供給装置)とNAS

UPSとNASの関係を説明しましょう。知っている方は読み飛ばしてよいと思います。

UPSと言うのはUninterruptible Power Supplyの頭文字らしいです。直訳すると「非干渉式電源装置」とでもなりますか。一般には「無停電電源装置」と呼ばれますね。要は緊急用のバッテリーです。

UPSとNASの相性

UPS(無停電電源装置)

実はたいした代物でもありません。大方の製品は中に鉛電池のバッテリーが入っているだけの製品です。値段も大したことはなく、機能や仕様にこだわりがなければ4~5,000円で買える商品です。値段、原理、サイズなんかはクルマのバッテリーとほとんど同じものです。

そんなUPSがNASのような記憶装置に必要とされるのは、停電時に非常用電源として働くからです。コンセントからの電源が途絶えても、UPSが内部のバッテリーを使って一定時間だけ電力を供給してくれます。大体30分~1時間程度しか稼動しないのですが、それだけの時間があればNASのシャットダウンや、部屋のブレーカを上げる等の緊急処置を行なうことができます。これで電源がプッツリ切れてデータ消失という事態を防ぐことができるのですね。

UPS連携機能があるQNAP製品

実際問題としてNASのメーカーとしてもUPSの利用は強く意識していて、連携機能を持った製品が出ています。管理人がVirtulizetionStationの仮想デスクトップやDVDプレーヤーとして活用しているQNAPのTSシリーズにも、当然、UPS連携機能が装備されています。例の如く、QNAPのNAS製品を賞賛しようという魂胆です。

参考:本サイトのQNAP製品記事一覧

QNAPの製品は、USB接続することでUPSとの連携を図ることができます。具体的には、停電状態の検知と自動シャットダウンの機能に分けられます。まず、コンセントからの電源供給が途絶えると、UPSはUSB経由でNASにアラームを送り続けます(停電検知)。NASの側では停電状態が一定時間以上続いた場合、シャットダウンの処理を開始するように設定することができます(自動シャットダウン機能)。この二段構えで突然の電源消失という事態を防ぎます。

qnapのUPS設定画面

qnapのUPS設定画面

上図の通り、電源喪失時の自動シャットダウン機能は管理画面から設定することができます。UPSのバッテリーが駆動できる限界が30分とすれば、シャットダウンまでのカウントダウンは20分位でしょうか。それだけの時間があれば自宅のブレーカを上げることもできますし、不在時の停電であっても自動シャットダウンが始まるのでデータ消失のリスクを防ぐことができます。

UPSでNASの電源保護

USBとの連携機能を使うには、UPSの側にもUSB出力のある製品を用意する必要があります。まあ、最近の製品では標準装備していますね。管理人の場合は、Amazonのタイムセールで安かった(8,000円位でした)ので、下記のオムロン製のものを使っています。電源容量は少ないのですが、飽くまで保険なのでコスト優先で良いと思います。

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